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血液透析とは

腎臓の働きと腎臓病

腎臓は腰のあたりに左右1つずつある臓器で、1日約150リットルの血液をろ過し、体内環境を一定に保つ重要な役割を果たしています。主な腎臓の働きは以下の通りです。

  • 老廃物や毒素の除去(尿として排出)
  • 水分・電解質(ナトリウム・カリウムなど)の調整
  • 血圧のコントロール
  • 赤血球を作るホルモン(エリスロポエチン)の分泌
  • 骨を丈夫にする活性型ビタミンDの生成

腎臓病とは、こうした機能が徐々に低下する病気の総称です。慢性腎臓病は初期症状がほとんどなく、放置すると腎不全へ進行し、透析や腎移植が必要となるケースもあります。主な原因は、糖尿病・高血圧・慢性糸球体腎炎などです。

早期発見・早期治療により進行を遅らせることが可能ですが、腎臓の機能が高度に低下すると、透析治療や腎移植が必要となります。

腎臓病を早期に発見するには、定期的な健康診断(尿検査・血液検査)が非常に重要です。特に、蛋白尿・血尿・クレアチニン値の上昇などが見つかった場合は、専門医の受診が推奨されます。
日常生活では、減塩食・血圧や血糖の管理・適度な運動などが腎臓を守るための基本です。

当院では、腎臓病の早期発見から人工透析の導入・管理まで一貫した医療体制を整え、安心して日常生活を送れるようサポートしています。

血液透析とは

血液透析とは、腎臓の機能が低下し、体内の老廃物や余分な水分を排出できなくなった場合に行う治療法です。健康な腎臓は血液をろ過し、老廃物や塩分、カリウムなどを尿として体外に排出しています。しかし、慢性腎臓病や腎不全によって腎臓が十分に働かなくなると、この機能が十分に果たせなくなり、血液透析のような腎代替療法が必要になります。

血液透析は、腕に作成した血管アクセス(シャント)から血液を体外に取り出し、透析装置(ダイアライザー)で老廃物を除去して体内に戻す治療です。通常、週3回、1回あたり4〜5時間の通院が必要です。

透析治療は完全に腎臓の機能を代替するものではないため、食事制限や服薬管理など、日常生活における注意点があります。しかし、透析を受けることで、多くの患者さんが仕事や趣味を続けながら充実した生活を送っています。

現在、日本では約35万人の方が透析治療を受けており、医療技術の進歩により治療の質は着実に向上しています。当院では、最新の透析機器と経験豊富なスタッフにより、安全で快適な透析治療を提供できるよう努めています。

当院での透析治療の流れ

当院で行う血液透析は、通常 週3回、1回あたり4〜5時間の治療を基本としています。透析治療の一般的な流れは次の通りです。

1

透析前のチェック

体重・血圧を測定し、除水量(余分な水分の除去量)を決定します。これは透析の効果を左右する大切な指標です。

2

穿刺と透析開始

血液を体外に取り出すため、シャントに針を刺します。透析装置で血液中の老廃物や水分を除去し、浄化された血液を体内に戻します。

3

透析中のモニタリング

透析中は血圧・脈拍・体調を随時チェックします。治療中はテレビや読書をしながらリラックスして過ごせます。

4

治療終了・止血

透析終了後、針を抜いて止血し、再度体重・血圧を測定します。

透析は長期にわたる治療ですが、正しい生活管理とサポート体制があれば、仕事や趣味など日常生活を続けながら安定した生活を送ることが可能です。当院では医師・看護師・臨床工学技士・栄養士がチームとなり、食事指導や生活習慣のサポートも行っています。